色褪せない思い出を守る日陰で、家族が静かに過ごすお部屋

色褪せない思い出を守る日陰で、家族が静かに過ごすお部屋

大切なアルバムや、代々受け継いできた美しいお着物。

それらが太陽の光で少しでも色褪せてしまわないようにと、毎日そっとカーテンを半分閉めておく。

その細やかなお気遣いは、あなたが家族の歴史をどれほど大切に思っているかを物語る、本当に素晴らしい愛情の形です。

けれど、その優しさが積もり重なることで、今を生きる子どもたちがのびのびと遊ぶための明るい日差しまで、少しずつ窓の外へ締め出してはいないでしょうか。

アルバムや布を守るために、そっとカーテンを閉める優しい手

大切な記憶を日に焼けさせないための、日々の静かなお世話

一度手にした家族の品物は、ただの物ではなく、かけがえのない大切な記憶そのものになり、手元にない時と比べてずっと大きな価値を感じるようになります。

だからこそ、手元に置いて守り抜こうとするのは、私たちの自然な気持ちです。

  • 日に当ててはいけない。
  • 湿気を持たせてはいけない。

その強い思いから、モノのお世話をどうするか悩み続けることで、今日目の前にいる子どもと元気に笑い合うための体力が、知らず知らずのうちに減っていくこと。

それは、真面目すぎるからこそ起きてしまう、避けられない現実なのです。

家族の歴史を一番きれいなままで残したいというその責任感は、決して間違っていません。

その日陰のなかで、今の家族が過ごしているという事実

モノを守るための薄暗さが、日々の元気やゆとりを少しずつ削っている仕組み

もったいないからと家の中に置き続けることで、いま一番日当たりのいい特等席を、ずっと開けない箱のために使い続けてしまうこと。これが、優しさが生み出す小さな矛盾です。

箱が置かれたその場所は、本当なら子どもがおもちゃを広げたり、家族で寝転んでお昼寝ができたはずの場所です。

大切な思い出を守ろうとがんばるほど、家族が暮らす部屋からお日さまの光や風の通り道が塞がれてしまうこと。

モノが増えて部屋が狭くなると、歩くたびに肩がぶつかりそうになり、家族みんなが少しだけ窮屈な思いを抱えながら毎日を過ごすことになります。

それでも、私たちは今の状態を変えることをためらい、休日のたびに箱をパズルのように並べ替えるのをやめて、何もないスッキリとした床の広さを家族の毎日にすることから目を背け、同じ行動を繰り返してしまうのです。

思い出の箱に外へお出かけしてもらい、窓をいっぱいに開ける朝

家族みんなが明るいお日さまの下で笑い合える、ただの広い家に戻すこと

何もない、すっきりとした壁や床の広がり。

それは、日々の忙しさで疲れた私たちが、ごろんと手足を大きく伸ばして、深く深呼吸できる場所になってくれます。

私は、大切な品を静かに休ませておくことで、今の家族が明るい窓辺に座るための広いソファを置けるようになる、外にあるもう一つの押し入れに、思い出のお留守番をお願いしました。

自分の力だけで全部を守ろうとするのをやめて、過去の記憶を安全な外の部屋へお引越しさせて、子どもが家の中で転ばずにのびのびと走り回れる空間を取り戻すことを選んだのです。

モノのためにカーテンを半分閉めたまま、静かな日陰で家族と寄り添って暮らすか…。

それとも、過去のお荷物は温度や湿度が24時間整えられた外部の離れにそっとお留守番をお願いして、窓を全開にし、リビングいっぱいに朝の光を迎え入れるか…。

どちらの景色を選ぶかは、あなた自身の自由です。