思い出の作品を大切に飾る優しさが、今日の子供が走る場所を小さくしているというお話

思い出の作品を大切に飾る優しさが、今日の子供が走る場所を小さくしているというお話

小さな手で一生懸命に作ってくれた、いびつで可愛らしい工作。

決して壊れないように、一番安全なリビングの棚の上にそっと飾る。

その温かい思いやりが、気づかないうちに「そこを走らないでね」「ぶつからないように気をつけて」という声かけを生み、今日元気に体を動かしたいお子様の自由を、静かに制限しているとしたらどうでしょうか。

小さな手で作られた一生懸命な形を、リビングの一番良い場所で守ること

壊れないようにそっと棚に置く、あたたかい親心

一生懸命に丸めた粘土や、色を塗った紙コップ。

お子様の頑張る姿を思い浮かべるたび、壊れないようにリビングの一番目立つ、安全な場所に飾りたくなるものです。

その行動は、お子様の成長の証を何よりも大切にしたいと願う、本当に素晴らしい愛情の表れです。

大切なものを手元に置きたくなる、深く自然な気持ち

大切なものをすべておうちの棚に乗せようとして、今日の新しい思い出を置くためのテーブルの隙間がなくなっていること。

そうなってしまうのは、決してあなたのせいではありません。

あなたがお子様との思い出をずっと手元に置いておきたいと願うのは、本当に美しく、自然な親心です。

なぜなら私たちは誰しも、大切に抱えたものを手放すときのちくりとした寂しさを、新しいプレゼントをもらう嬉しさの約2倍も強く感じてしまう生き物だからです。

自分の手元にある宝物を別のものと取り替えたくないと感じる方は、全体の約90%にも達するという記録もあるほどですから、ご自身を責める必要は全くありません。

過去の頑張りを目の届く場所でしっかりと守り抜きたいと願うのは、人としてごく自然なことなのです。

飾られた大切な作品が、今日の子供の元気な動きにブレーキをかけている現実

「走らないでね」「気をつけてね」という配慮が作る見えない壁

ですが、その深い愛情が今、少しだけ形を変えてご家族の毎日を窮屈にしています。

棚の上の作品を守るために、「そこでボールを投げないでね」「走ってぶつからないでね」と声をかける回数が増えていませんか。

過去の作品を大切に守るための見えない壁が、今まさに元気いっぱいに手足を伸ばしたいお子様の動きを、少しずつ止めてしまっているのです。

守るための気遣いが、家族の休む力を少しずつ減らしていく

しかし、その素晴らしい愛情の深さこそが、今、ご家族のくつろぐ空間を静かに奪っています。

思い出の品々がリビングのあちこちに積まれていると、私たちの頭は「ぶつからないようにしなきゃ」と、見えない重い荷物を背負い続けてしまうのです。

休日の朝から棚の片付けに時間を使い、午後にお子様と公園で一緒に走るための元気が残っていない状態。

そして、部屋の中でぶつからないように気をつけて歩くことで、夜に家族で美味しくご飯を食べるための体力が少しずつ減ってしまうこと。

家族のための真面目で優しい努力が、今この瞬間にくつろぐための力を減らしているという事実があります。

過去の作品を安全な場所へ移し、今の子供が思い切り遊べる床を作る選択

飾るための空間と、元気に走り回るための空間を分けるという考え方

私は、過去の大切な品々と今の生活空間を分けることにしました。

おうちの外にある、大切なものを安全に預けていつでも迎えに行ける大きなお部屋。そこへ大切な作品をお引越しさせたのです。

過去の記録は安全な場所で静かに守り、今のリビングには、子供が転がってもぶつからない、何もない広い床を用意しました。

何もない広い床が、家族の笑顔を増やす一番の準備になる

何もない、ただごろんと手足を伸ばせるだけの広い床を用意しておくことが、家族が毎日笑い合うための何よりの土台になります。

これからの暮らしの中で、ふっと肩の力を抜いて深呼吸できる「心のすき間」を大切にしたいと願う方が半数にのぼるという声にも、その真実が表れています。

あえて用途を決めない空間を持っておくことは、家族の気持ちを落ち着かせるための大切な場所になるのです。

大切な過去を飾り続けるか、今日思い切り手足を伸ばせる空間を選ぶか

過去の思い出をリビングの中心に飾り、お子様に「気をつけてね」と優しく声をかけながら慎重に過ごす日々を選ぶことも、一つの深い愛情の形です。

しかし、過去の頑張りの結晶をおうちの外にある、大切なものを安全に預けていつでも迎えに行ける大きなお部屋へ委ねることで、今日の子供が思い切り走り回り、家族がぶつかることなく大きな声で笑い合える広い床を取り戻すこともできます。

私は、今の家族の笑顔のために後者を選びました。

これからどちらの空間で毎日を過ごしていくのか。それを決めるのは、他の誰でもないあなた自身です。